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Valeが大好き☆な私の日常ですw


by noctiluca13
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レイ・ブラッドベリ:華氏451

 映画「華氏911」のタイトルの元になった本。

 アメリカで授業の課題で読まされて、
 ついでに実写映画化もされているので一部見せられたんですけど、
 白黒の映画なのはともかく、
 ちょっと古い本なんで、
 話の中で描かれている架空の世界が、
 出版、映画化当時では「未来予想図」だったのでしょうけど、
 現実がその設定を追い抜いてしまっているので、
 本はともかく、
 映画の方がどうにも滑稽で、
 当時はねぇ、
 興味全く持てませんでした。

 主題は「censorship」で、
 タイトルの「華氏451」っていうのは、
 紙に火が着く温度のこと。
 (日本は華氏をそもそも使わないので、摂氏に直すと約233℃です。)
 政府がありとあらゆる情報を規制、コントロールするのに、
 本という媒体が邪魔になるからって、
 その国の本が根絶やしにされたって設定だったはず。

 実際ね、主題自体は深いんですよ。
 行き過ぎた検閲のもたらす弊害と、
 人間らしさや社会・政府のあり方を問う内容だし、
 それは現代にも十分振り返る価値のある、
 というか現実はこの本が出た当時なんかより、
 よっぽどシビアだと思うし、
 そこを考えて読むと傑作だよなぁと思う。

 マイケル・ムーアがこの本から映画のタイトル拝借したのも、
 「あ~、うん、分かる②」って感じたし、

 でも私はあらためて読み返す気にはならないんだよね。
 「何を訴えているのか」が、
 分かっちゃってるからもういいやって感じ。

 再読は好き好きだと思うけど、
 一度読むには損はないと思います。
 良書なのは確かだから、

 現実を皮肉ってる感じはガリバーみたいなものだと思う。 
by noctiluca13 | 2008-07-27 23:02 | 読書