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Valeが大好き☆な私の日常ですw


by noctiluca13
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1つの死。続いてく私の生

 死について、今までの20年ちょっとの人生の中で考える事は何度もあった。
 小さい頃は「とても悲しいこと」だと漠然と理解してたように思う。
 家族を最初に亡くしたのは小学生の時。
 家で飼っていた巣から落ちてしまったカラスの雛が、ある日野良猫に襲われて、
 首から下が麻痺してしまったその子を病院で安楽死させた。
 あの時初めて、「死」がどういうことなのかを肌で感じた。
 なかなか泣き止むことが出来なかったのを覚えてる。

 もうすぐ、父親が死んでから1ヶ月が経つ。
 だけど私はその死を悲しめない。
 できることなら私の中からも永遠に消し去ってしまいたい。
 叶うなら父親から受け継いだ分の遺伝子を捨ててしまいたい。
 心の中に渦巻く感情は複雑すぎて表す言葉が見つけられない。
 単純に憎んだり怨んだりしているのだったら良かったのに、
 どこまでもどこまでも私の心を蝕んで自分は勝手に死んで、

 「死んだ人間を悪く言うもんじゃない」と言う。
 だけど故人が生前裏切り傷つけた人間に刻まれた痛みは、
 そんな言葉が通るような綺麗ごとになんかなるわけない。
 人は生まれたらその瞬間から死に向かって時を刻んでる。
 私は神様も天国や地獄も輪廻転生も信じない。
 だから私にとっての死は、
 「迎える当人にだけ訪れる終わり」だ。
 
 生まれ、生きるという事は縁を結んでいくことだと思う。
 生まれてしまえば、1秒でも生きれば、
 誰かが、何かが、その生に触れる。
 時には目で見、耳で聞き、手で触れられる形で、
 時には記憶のように形なき形として跡を残していく。
 世界は1つだ。
 けれどそこに無数の存在が同時に在り別々の時計を内に持っている。
 一つの時計が止まって終わりが来ても、
 その止まった時計を知っていたものが残される。
 だから結ばれた縁が全て途切れるまで、
 死の後の生が本人抜きで続いていく。
 誰かの心の中で、記憶の中で、

 愛していたものを壊されたら、奪われたら、
 悲しくて寂しくて切なくて怨んでも、
 大切に思う気持ちも消せなくて、
 だから赦せはしなくても過去にして、
 きっといつか変わる時が来ると信じて、
 結局その期待も裏切られ、 
 それでもただ憎むには愛しすぎていて、
 いつまでも楽しかった日々を忘れられずに懐かしんで、
 あの頃私を愛していてくれたのならせめて、
 もう間違えることなく幸せに生きていると、
 信じたいと願い続けた心さえも裏切られたら、
 裏切り続けた挙句に謝罪の言葉もなく死なれたら、
 赦せるわけがない。

 だけど、最後の最後に私に赦されたかったのだと、
 けれどそれには遅過ぎたのだと、
 どんな謝罪の言葉も涙も遅過ぎて何一つ正せないと、
 知っていたのはお互いだったのだと、
 分かってる。
 そんなことくらいちゃんと分かってる。

 でも私は生きていくのだから、
 その死を悲しんだりしない。
 
 
 

 
 
 
 
by noctiluca13 | 2008-03-11 23:29 | 景色